医療法人の財産
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夫婦の一方が医師で医療法人の理事長をしている場合,医療法人と医師は法律上別の存在ですので,医療法人が有している財産は財産分与の対象とはなりません。
ただし,理事長個人が有している医療法人の出資持分は,個人の財産ですので,財産分与の対象となる可能性があります。
他方,医師の配偶者が,医療法人の社員で出資持分を有していることもあります。
出資持分については,医療法人の定款の定めとして「社員資格を喪失した者はその出資額に応じて払戻しを請求することができる」という趣旨の規定が置かれていることが通常です。
その場合,配偶者が,離婚を契機に,医療法人に対して出資持分の払戻請求をすることも考えられます。
また,出資持分の払戻請求をした場合のその額については,出資金額そのものになるのか,それとも医療法人の資産に対する持分相当額になるのか,定款の定められ方によって異なります。
出資持分の払戻請求は,医療法人との間の問題で,夫婦間の問題ではないものの,離婚の話合いと同時並行で解決することが望ましいと考えます。
当事務所では,出資持分の払戻請求権があるのか,あるとしてその額はいくらになるのか,財産分与との関係ではどのように解決することが適切か等,法律家の観点から検討し,よりよい解決策をご提案いたします。是非ご相談下さい。
なお,出資持分のある医療法人は,平成19年施行の第五次医療法改正により新規設立ができなくなっておりますので,上記出資持分についての問題は,同改正法施行前に設立された医療法人が対象です。

弁護士法人フロントロー法律事務所

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