財産分与の割合
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離婚に伴う財産分与は,婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産を離婚時に分けるものです。その財産の名義が夫婦のいずれであるかにかかわらず,財産分与の対象となります。
財産分与は,婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産を離婚時に分ける制度ですので,分与の割合については,財産形成,維持への寄与度によって割合を決めます。妻が収入を得ていなくても,専業主婦として夫の仕事に協力したとして,財産分与の割合を2分の1とすることが通常です。
しかし,夫婦の一方が医師である場合には,財産分与の割合が修正される場合があります。
医師は,
・高度な知識や技能を有していること
・医師となるまでに多額の金銭的投資をしていること
・開業医である場合には医師自身の経営手腕が産形成に大きな影響を与えていること
等から,医師個人が財産形成,維持へ大きく寄与したとして,財産分与の割合が2分の1とならない(医師側に有利な財産分与割合となる)ことがあります。
例えば,夫が医者として病院を経営し,1億円を超える資産を形成した事案では,夫の医師・病院経営者としての手腕・能力が大きいと認定し,財産分与の割合を2分の1とせず,妻に2000万円の財産分与しか認めなかった裁判例があります(福岡高裁昭和44年12月24日判決)。
財産分与の割合の修正を主張する(もしくは,財産分与の割合が修正されないと主張する)にあたっては,資産形成や維持への寄与度を根拠づける事実や証拠を集める必要があります。どのような事実や証拠が重要になるかは,弁護士にご相談下さい。

弁護士法人フロントロー法律事務所

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