財産分与の割合修正 ~夫が6割の事例~
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離婚に伴う財産分与は,婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産を離婚時に分けるものです。その財産の名義が夫婦のいずれであるかにかかわらず,財産分与の対象となります。
財産分与は,婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産を離婚時に分ける制度ですので,分与の割合については,財産形成,維持への寄与度によって割合を決めます。妻が収入を得ていなくても,専業主婦として夫の仕事に協力したとして,財産分与の割合を2分の1とすることが通常です。
しかし,夫婦の一方が会社役員で高収入である場合,そのような高収入を得られたのは自身の努力や能力によるところが大きく,財産形成の寄与度が高いとして,財産分与の割合が修正される場合があります。
例えば,婚姻期間が33年(そのうち家庭内別居が約10年)の元夫婦の事案では,
・夫:会社執行役員に就任,その後,代表取締役社長を務めた
この間の約6年分の所得合計額は,1億8500万円を超える
退職金,ストックオプションを得た
⇒夫の相当高額な収入や夫の能力が資産形成に寄与していた
・妻:別居に至るまでの約10年間は家事がおろそかとなっていた
⇒この約10年間は家庭内別居となる前に比べて格段に寄与度が劣る
これらの事情を考慮し,財産割合の割合について,夫が6割,妻が4割と判断されました。

弁護士法人フロントロー法律事務所

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