男性が離婚する際の婚姻費用の留意点
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別居している場合であっても,離婚に至るまでの間,夫婦の生活費(婚姻費用)については,その資産・収入・社会的地位に応じ,通常の社会生活を維持するために,夫婦が互いに分担しなければなりません。
夫が妻より収入が高い場合,夫は妻に対して,婚姻費用を支払わなければなりません。これは,離婚協議中であっても,変わりなく,離婚に至るまでは支払い続ける必要があります。
妻側からすると,離婚に至るまでは婚姻費用を受け取ることができる(離婚が成立すると婚姻費用が受け取れなくなる)ことから,離婚協議が多少長引いてもかまわないと考える可能性は否定できません。
そのため,夫婦ともに離婚自体に全く争いがない場合には,離婚の成立を先行し,その後,財産分与等について交渉することで,婚姻費用の支払いを少なくすることが可能です。なお,離婚にあたって,夫婦に未成年者の子どもがいる場合には,親権者については離婚時に決めておかなければいけませんので(民法819条1項),親権に争いがある場合には,注意が必要です。
また,妻が持ち家に住んでいる状態で別居している場合,夫が住宅ローンの支払いを続けている場合が多くあります。
婚姻費用には,住居費も含まれますので,本来,妻は,婚姻費用から住居費である住宅ローンを支払わなければなりません(借入先との関係では,夫が債務者の場合には,夫に支払義務があります)。もっとも,住宅ローンの支払いは,住居費という性質だけでなく,資産形成にも資するものですので,夫と妻のいずれが負担するか,協議が必要です。一度,弁護士にご相談下さい。

弁護士法人フロントロー法律事務所

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