専業主婦が離婚を検討する際のポイント
離婚したい専業主婦が離婚するリスク
専業主婦が離婚すると一般的に次のようなリスクがあります。
すなわち、
①住むところがなくなるかもしれない
②仕事をする必要があるかもしれないが、これまでのブランクを考えると雇ってくれるところがない
③もらえる年金額が少なくなる
専業主婦の離婚リスクは回避可能であること
では、上記リスクを鑑みると離婚は避けるしかないのでしょうか。
そうではありません。
住むところについては、離婚後扶養の約束を取り付けることで、離婚後の居住権に配慮を求めることが可能です。
また、雇用に関しては、なんら不安になる必要はありません。労働人口が減少し続ける社会では、失業率は減少傾向です。働きたいという意欲さえあれば、雇用について不安を持つ必要はありません。
さらには、年金については、年金分割制度で最大限の権利を確保することが可能です。
専業主婦の方も、仕事をしている男性と同様、離婚しても生活をしていくことは十分可能です。
以下、離婚に向けて、どのようなことを考えていくべきか、説明します。
離婚するための事前準備
親権
子どもをもつ夫婦が離婚を検討するうえで争点となることが、子どもの親権です。
子供のことを考えると離婚することは避けたいところです。しかしながら、やむを得ず離婚せざるを得ない状況となった場合、どちらが親権を持つのが子どもにとって最善かという視点から親権の帰属を考えるべきでしょう。
子どもが自分でしっかりと考えて発言できるくらいに成長にしている場合は、子ども自身の希望を聞くべきです。ただし、離婚の準備段階のタイミングで、子供に離婚した後の親権について意思を確認するのは、タイミングとして早く感じます。
この段階で親権について準備すべきことは、
・どちらが親権をもつことが子どもにとって最善かということ
・夫が親権を主張してきた場合に夫をどのように説得するか
・子どもにどのタイミングでどのように離婚について話すか
という点を「考える」ことでしょう。
有責性の検討と証拠の収集・保全
長年、仕事をして給料をもらっているのは自分だとして、夫が家事を軽視する環境にあったのではないでしょうか。
夫によるモラルハラスメントを離婚原因として主張・立証していくことには相応の困難が伴います。
とはいえ、たとえば、日記や写真などがあれば、主張の「きっかけ」にはなるところです。
夫が有責だと認定された場合には、離婚条件について有利に交渉することも可能となってきます。
そこで、夫が有責性と主張・立証ができるか否か、その検討をする必要があるでしょう。
財産の把握
夫の財産、自身の財産を把握する必要があります。
特に、夫の財産については、離婚の意思が明らかとなった後には、表立って調べることが困難となることもあるので、準備段階で把握する必要が極めて高いです。
財産に関する書類はコピーをとって控えておきましょう。例えば、不動産の登記簿謄本、自動車検査証、保険証書、年金証書、通帳、有価証券、ローン契約書、賃貸借契約書等が該当します。
なお、相続財産や結婚前から所有している財産は離婚の際に行う財産分与の対象とはならないことに留意しておく必要があります。
夫の収入の把握
源泉徴収票などで夫の年収を把握しておきましょう。可能であればコピーをとっておいたほうがよいでしょう。
以上の事前準備を確実に行うためにも、一度離婚に強い弁護士に相談することをお勧めします。
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