自身が不倫している相手方の配偶者からの慰謝料請求された場合
自身が不倫している相手方に配偶者がいる場合、すなわち不貞相手の配偶者から慰謝料請求に「会社に知られるのではないか」「裁判になったらどうしよう」と慌ててしまうのではないでしょうか。
奥さんから慰謝料請求されたらまず何をすべきなのでしょうか。
この記事では、奥さんから慰謝料請求されたときの対処法や慰謝料相場、慰謝料の減額方法などを解説します。
奥さんから慰謝料請求されて困っている人に役立つ基礎知識をまとめました。
不倫で奥さんから慰謝料請求されてしまった
奥さんから慰謝料請求されたら、請求方法に応じたリアクションが必要になります。
奥さんから慰謝料請求されるときの請求方法は3つです。
奥さんから慰謝料請求されたときの請求方法に応じた「まず何をすべきか」の対処法について見てみましょう。
内容証明郵便で奥さんから慰謝料請求された
内容証明郵便とは、日本郵政の郵便サービスのひとつです。
内容証明郵便に記載された内容と発送したという事実が郵便局に記録され、証明が必要なときに郵便局側が手紙の内容と発送について証明してくれるというサービスが内容証明郵便になります。
郵便局に記録が残るため「受け取っていない」などの言い逃れが通用しない郵便なので、債権回収や法的な手続きの前段階、証拠作りの際によく利用される郵便サービスです。
不倫の慰謝料請求の際も、内容証明郵便が使われることがあります。
内容証明郵便自体には、法的な強制力はありません。
あくまで郵便局側に内容や発送を証明してもらえるというサービスなので、内容証明郵便が届いたからといっていきなり差押えや強制執行されることもありません。
内容証明郵便が奥さんから慰謝料請求されるときに使われたら、奥さんも「どのようなリアクションを取るか」と様子見している状況であると考えられます。
内容証明郵便で奥さんから慰謝料請求されたときに感情的に対応したり、無視したりすると、裁判による請求につながる可能性があります。
内容証明郵便で奥さんから慰謝料請求されたときは感情的な話し合いを避け穏便に話をおさめるため、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
内容証明郵便によって奥さんから慰謝料請求された旨を弁護士に伝え、内容証明郵便の内容を検討するとともに、奥さんとの交渉について考えましょう。
この段階で弁護士と冷静に対応すれば、周囲に知られるような大事にならず、奥さんからの慰謝料請求に対処することも可能です。
弁護士を通して奥さんから慰謝料請求された
弁護士を通して奥さんから慰謝料請求されたケースとは、弁護士から慰謝料請求の旨の連絡を受けたケースや、弁護士名や弁護士事務所名で内容証明郵便など何らかの通知を受けたケースを指します。
弁護士を通して奥さんから慰謝料請求されたケースでは、奥さんはすでに弁護士に相談済です。
相談された弁護士も「慰謝料請求可能だ」と判断したわけですから、不倫について有力な証拠を持っている可能性があります。
弁護士を通して奥さんから慰謝料請求されたケースでは、弁護士からの連絡を無視すると、奥さんの持っている証拠を使って裁判による慰謝料請求がおこなわれるリスクもあるため、注意する必要があるのです。
無視せず、連絡してきた弁護士にコンタクトをとってみましょう。
ただし、自分で弁護士にコンタクトを取ることにはリスクがあります。
なぜなら、弁護士は法律と交渉のプロだからです。
そして、弁護士は不倫相手であるあなたの弁護士ではなく、奥さんの弁護士になります。
奥さん側が有利になるように慰謝料の交渉をまとめられるリスクがあるのです。
奥さんから慰謝料請求を受けても、不倫相手側にも言い分があるケースもあります。
たとえば「未婚だとウソをつかれていた」「かなり昔に短期間だけ不倫した」など、不倫事情もさまざまです。
不倫事情によっては慰謝料の減額交渉も可能ですが、相手が弁護士だと上手く減額できず、けっきょく奥さんに有利な条件で慰謝料の話がまとまってしまうこともあります。
弁護士が出てきた場合は弁護士に依頼して、事情に合わせた減額などの交渉をおこなうことが重要です。
対処法として、まずは不倫問題や慰謝料請求に強い弁護士へ相談しましょう。
裁判で奥さんから慰謝料請求された
裁判で奥さんから慰謝料請求されたケースは、奥さんはもはや様子見したいという段階ではなく、有力な証拠を掴んでおり、なおかつ裁判という手続きを踏んでも慰謝料請求したいのだと考えている状況です。
奥さんが怒っていたり、本気で慰謝料を取ってやると思っていたりする状況なのです。
裁判で奥さんから慰謝料請求された場合は、請求された側も様子見している猶予はありません。
裁判でどのように対処するか。
裁判上でどのように減額を求めるか。
裁判への対処を考えなければいけません。
裁判で奥さんから慰謝料請求されたケースでは、裁判所の通知に記載された出廷期日を無視すると、奥さん側の請求が認められてしまいます。
裁判所の通知を確認して、答弁書の準備を進める必要があるのです。
裁判の初回期日については、答弁書を提出すれば、絶対に出席しなければいけないわけではありません。
ただ、初回期日は答弁書の提出だけで済んでも、続行期日についてはさらなる準備を要します。
準備が不十分だと、裁判で慰謝料を請求された側の主張が通りにくくなります。
裁判官は浮気の事情を知らない第三者ですから、準備が不十分だと、奥さんの主張の方が正しいのだという心証を抱きかねません。
裁判で奥さんから慰謝料請求された場合は、裁判の主張や証拠を整理し、裁判官の心証も考えながら準備を進めなければいけません。
裁判には法的な知識が不可欠です。
裁判で奥さんから慰謝料請求された場合は、早めに弁護士に相談し、弁護士とともに裁判の準備を進めることが対処法になります。
不倫による慰謝料の相場
奥さんから慰謝料請求されてしまった場合、気になるのが不倫による慰謝料の相場ではないでしょうか。
不倫による慰謝料の相場を知らずに奥さんの請求金額に応じてしまうと、後から「相場よりかなり高い金額だった」と後悔する可能性があります。
奥さんから慰謝料請求された場合、奥さんの請求金額が不倫の慰謝料として適正か検討することも重要ではないでしょうか。
不倫の慰謝料は基本的にケースバイケースです。
不倫事情はさまざまです。
20年間不倫を続けたケースと半年のごく短期間のケースを同様に解釈することは難しいのではないでしょうか。
また、夫婦円満の家庭を不倫によって壊したケースと、夫婦間にほぼ性交渉や会話がなかったケースを同様の慰謝料額にしては不平等ではないでしょうか。
不倫の慰謝料は不倫事情に合わせて増減がおこなわれ、最終的に事情に合わせたケースバイケースの金額が算出されるのです。
ただし、慰謝料の相場がまったく存在しないわけではありません。
不倫による慰謝料の相場は、離婚の有無によっても変わってきます。
過去の判例や慰謝料請求ケースから算出された大よその不倫慰謝料相場は次の通りです。
・不倫後に婚姻関係を維持するケース / 50~100万円
・不倫後に別居に至ったケース / 100~200万円
・不倫により離婚に至ったケース / 150~500万円
不倫の慰謝料相場はあくまで慰謝料の目安です。
相場内の金額だからといって、必ず請求額が認められるわけではありません。
不倫慰謝料の減額がおこなわれた結果、相場より低い慰謝料額になることもあります。
奥さんから請求のあった慰謝料を減額する方法
奥さんから慰謝料請求の慰謝料額は、ケースによって減額が可能です。
奥さんから請求のあった慰謝料の減額が期待できるのは次のようなケースになります。
奥さんに謝罪して慰謝料を減額してもらう
奥さんからの慰謝料請求に対して誠心誠意謝罪して慰謝料を減額してもらう方法です。
奥さんへの謝罪をおこなうことで、ある程度慰謝料を減らしてくれる可能性があります。
心の底から反省して謝罪しているのであれば、奥さん側もそれ以上追求せず、穏便におさめてくれる可能性もあるのです。
奥さんから慰謝料請求された額を一括払いする
慰謝料の一括払いは、奥さんにとってメリットがあります。
一括払いによってまとまった慰謝料が手に入る他、分割払いのように不倫相手との縁が続くこともありません。
奥さんから慰謝料請求された額を一括で支払う代わりに、慰謝料額をある程度減額して欲しいという交渉が可能です。
また、請求額に対して手元の資金が少ない場合は、「このくらい減額してくれたら一括払いできる」という交渉もできます。
交渉の結果、一括払いを望む奥さんから慰謝料を減額してもらえる可能性があるのです。
奥さんから慰謝料請求に対して求償権を行使する
求償権とは、不倫のもう片方の当事者に対して責任の分担を求める権利です。
不倫はひとりでできません。
奥さんから慰謝料請求された場合、不倫のもう片方の当事者である奥さんの夫に対して「不倫の当事者で共に不倫の責任を負う関係なのだから、慰謝料を半額負担して欲しい」と求めることが可能なのです。
たとえば奥さんからの慰謝料請求が200万円だった場合、求償権を行使すると浮気の当事者同士で100万円ずつの慰謝料になります。
このように、奥さんから慰謝料請求されたときに求償権を行使すれば、慰謝料を減額できるのです。
まとめ
奥さんから慰謝料請求されたら、請求の方法に応じて対処する必要があります。
請求の方法に合わせて、必要な準備なども整えるようにしましょう。
不倫の慰謝料には相場があります。
奥さんから不倫の慰謝料を請求されたら、慰謝料の額を相場と照らし合わせて確認することも重要です。
奥さんから慰謝料請求された場合は、交渉次第で慰謝料額を減額できる可能性もあります。
不倫問題を得意とした弁護士に相談して減額交渉をするなど、慰謝料請求の内容に応じて適切に対処することをおすすめします。
離婚は大半の人には初めてのことで、心配で相談することすらどうしたら良いのかわからない方もいらっしゃると思います。
また離婚は夫婦ごとに個別事情ですので、 インターネットで調べても、自分自身にあっているのか? ケースでどうするのか?正解かを理解することは難しいです。
離婚に強い弁護士に相談することをおすすめします。
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弁護士法人フロントロー法律事務所
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